ある所に有望な王様がいました。
王様は皆に親しまれていました。
王様はファッションが趣味でした。
王様は普通の服を着る事に飽きてしまっていました。
何か面白い服は無いのか。
そんなとき、二人の仕立て屋が王様の前へやって来ました。
二人の仕立て屋はなんと、馬鹿や自分にふさわしくない仕事をしている者には見えない不思議な布地を織る事が出来ると言いました。
王様は大喜びでその布で作られた服を注文しました。
後日。その服を着た王様はパレードに向かいました。
すると、街頭の中の小さな子供の一人が、「王様は裸だよ!」と叫びました。
ついに皆が「王様は裸だ」と叫ぶなか、王様一行はただただパレードを続けるのでした。
何やら外が騒がしいと部屋で実験をしていた学者が外に出てみました。大衆が王様を見て裸だ裸と言っています。
学者はどういう意味だと近くにいた女性に聞きました。
「見てご覧なさい。王様の姿を」女性が言いました。
博士は王様の方を見ました。博士は言いました「うむ。確かにちと変わった服を着ておるな」
女性は博士の言う事を理解できませんでした。
また別の場所では病院の窓から医者達がパレードを覗いていました。
「王様のファッションセンスも凄いな」
「回りがこれだけ騒いでいるんだものな」
すると患者が言いました。
「あんたらは皮肉で言っているのかい?」
医者達は患者の言っている事が理解できませんでした。
また、店の屋上でパレードを例の仕立て屋二人が見ていました。
「みろ。この民衆の驚く様。俺も服を仕立てたかいがあるってもんだ」
「あぁ、全くだな。お前は子供の頃から才能を持ってたもんだ。あの服はお前にしか作れないくらい素晴らしい服だよ。」
王様一行はただただパレードを続けるのでした。
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